舞台『刀剣乱舞』虚伝 燃ゆる本能寺 感想①

脚本・演出等とキャラクターについての感想。

※絶賛以外の感想を受け入れられない方はブラウザバック推奨※

 

舞台『刀剣乱舞』虚伝 燃えゆる本能寺@ライブビューイング2016/5/20(金)

 

 

舞台『刀剣乱舞』~ 2016年5月東京・大阪公演決定! - 刀ステ

 

 

西暦2205年。

歴史改変を目論む「歴史修正主義者」が過去への攻撃を開始した。

対峙する時の政府は歴史の守りとして「審神者」なる者を過去へと派遣する。

 

物の心を励起れいきする審神者の力によって生み出された、

刀剣に宿りし付喪神「刀剣男士」たちは、審神者と共に歴史を守る戦いへと身を投じる。

 

ある日、彼らの本丸に新しい刀剣男士が顕現する。

 

不動行光──戦国武将・織田信長が佩用し、彼に仕えた近習・森蘭丸へと授けられることとなる一振りである。

 

不動行光は信長の愛刀であったことの誇りを顕わにするが、

同じく信長を元主とする宗三左文字、へし切長谷部、薬研藤四郎らとうまく噛み合わない。

 

近侍に任命された山姥切国広は、不動行光の参入により和の乱れた本丸を立て直そうと奔走する。

 

そのさなか、審神者より天正十年──織田信長が果てた歴史的事件「本能寺の変」へ出陣の命が下だるのだった。

 

 

 

 

 

脚本・演出の末満健一さん、2.5次元好きな人からお名前をよく聞くので以前から気になっており、ちょうどいい機会なのでライビュに行ってみました。

 

脚本としては特に伏線やどんでん返しもなく、冗長な印象を受けました。

キャラクターがストーリー展開に合わせて行動させられている感も少しあります。

 

メインは三日月宗近と山姥切、織田刀ですが、脇役の粟田口・左文字の存在は必ずしも必要だったのでしょうか?もう少し登場キャラクターを絞っても良かったと思うのですが、同本丸・同キャラ設定で次回作の製作が決まっているとか?

解説セリフが多い割には説明されないままラストを迎える点(なぜ強い敵が出現したのか等)も多く、消化不良です。

原作にストーリーがないどころか設定が明らかになっていないため、大筋がミュと同じ(元主をからめる・歴史改変は良くない!に落ち着く)になるのは仕方がないと思います。

図録の「物が語る故、物語」の一文に着想を得て差別化を図ったのでしょう。

原作サイドはメディアミックスを連発するならそろそろ新しい展開ができるようにしても良い頃合いだと思いますけれど、どうなんでしょうね。 

 

演出面について。

頻繁に挿入される決めポーズ、原作ゲームのセリフ、格好よさ“げ”な殺陣などが若手俳優ファンや原作ファンから支持されているんだな~と分かりました。

上記はストーリー上は必要のない場合も多く、私自身とくに俳優ファンでもないこともあって、そこは削ってストーリーに深みを持たせてもらった方が楽しめましたかもしれません。

 

刀ステの目玉のように宣伝され、複数回入る殺陣のシーン。

キャストの動きに序破急がなく、演出も照明や効果音も単調。なにより、刀剣男士の背後を取った敵が攻撃をしなくなるので緊迫感が感じられません。

なお、登場する刀剣男士が12人なので、一人ひとりの時間は少なめ。

小夜・薬研は短刀という刀種のためか、蹴りや側転といったアクロバテイックな動きが多いです。鯰尾も蹴り技が数回ありました。

鶴丸が手首のスナップで刀を振り回しているのは、刀剣男士が刀の付喪神であることを考えれば、まぁ…。 

 

舞台装置としては階段が左右に動くのみ、背景等は投影されます。

スクリーンに年号や「本能寺方面信長自刃阻止隊」や「関ヶ原方向家康暗殺部隊」の表示が出るので分かりやすいです。

時間遡行軍との戦闘で何度か血しぶきも映し出されるのですが、

ラストの信長自刃のシーンだけで使用したほうがインパクトがあったと思います。

 

衣装について。

メイン衣装がユニフォームじゃない2.5次元舞台を拝見するのが初めてなのですが、やっぱり衣装はぺらぺらてかてか。金属部分もリアリティがないですね。

付喪神には(設定としては)神格があり、天下五剣や国宝もいる…と考えていると、この衣装では世界観が壊れます。

しかし、そもそもミュの写真がお披露目されたときから衣装のクオリティについては覚悟はしていたので、特に何とも思いません…。

それよりも、カツラの色や、カッティングがキャストの輪郭の形に合っていないところが気になりますね。キャストの二次元的でいい感じのシュっとした輪郭のすばらしさがものすごい勢いで殺されています。

まんば布がやたらと白く、さらに薄暗い場面で白浮きしていて笑いそうになってしまいました。また、きれいに翻るようになのか重そうな素材を使用しており、殺陣のとき顔にあたっていたのは危ないのでは。

 カテコで使用する傘は真っ白で、一言でいうとチープ…。無理してここで小道具を使わなくても良かったと思います。

 

 

キャラクターの感想も述べてみたいと思います。

 

三日月宗近

目を細めて唇の両端を大きく上げて笑う演技が多かったですね。

何度も茶をコミュニケーションツールに使っているところも含め、原作ゲームというよりはねんどろベース???

歩き方を日本的な舞のような(いわゆる足を床から離さない足運びによる平行移動と旋回運動)を心がけているようでしたが、上半身にだけ力を入れているのか、肩を張りすぎていて不自然な動作としか思えなかったです。

基本の所作が現代風であることや、普通の演技で普通の動き方をしていることもあり、ちぐはぐな印象を受ます。上体をかがめて走るのも疾走感はでますが、優雅な和風の動きとは両立しないと思います。

この動きのために膝を若干まげてクッションにしていると思うのですが、そのせいで山姥切と並ぶシーンでの身長差が大変なことに。せっかく階段があるので使ってほしかったですね。

 

山姥切国広

キャストのSNSに上がる写真では美少女風でしたが、舞台ではゲームを意識したおちついた声、キリっとした顔つきで美青年風です。

まんば布が重そうな素材で、殺陣のとき顔にあたっていてひやひやでした。

「国広の最高傑作なんだ」という自負にはわずかしか触れられず、「写し」をマイナスにとらえれてることが全面に押し出され過ぎていて、卑屈さが違うベクトルになっているようでちょっと違和感。

というか、初期刀なのに審神者とあまりうまくいってないのでしょうか…。

  

宗三左文字

原作ボイスの「はぁ…(カゴノトリー)」とかのイメージではなく、悩みもがきながらも自分で道を見つけようとする、自立した精神を持った宗三でした。

自分のことをお飾りの刀というわりには長谷部を殴り飛ばしたり敵にスライディングで斬りかかったりと非常にアクティブ。

籠の鳥(ただし猛禽類)。

足チラが激しいです。

 

小夜左文字

なぜか、お小夜、小夜スケ、小夜坊とか色々呼ばれていました。

殺陣がアクロバティックで、ほかにも背後から首を掻き切ったりしていたのが印象的。

「復讐」「殺せばいいんだね」等の不穏な言葉が多いですね。

アニ艦の響が「ハラショー」しか言わなかったように、小夜が「復讐」という言葉をことあるごとに口にします。

作中の人の思いが物に影響を与えるという話を踏まえると、「復讐」という目的だけが小夜に乗り移ったことで幼く見える言動が多いということ…?

立ち方は低く構えて片足を前に出して、身長を低く見せようとしているようです。

 

江雪左文字

小夜・宗三とは兄弟の絆を強く感じているようです。

今回は脇役でしたが、粟田口と左文字でひとつ兄弟もののストーリーつくれたんじゃないんですか…!?

  

薬研藤四郎          

へし切りと呼ばれることを嫌がる長谷部に「その名前、嫌いじゃないぜ」と言ったり、悩む宗三に的確な言葉を投げかけたり、織田組の中では最も精神的に大人。

見た目が半ズボンショタなので原作通りの露出度の真剣必殺にはなんともいえない罪悪感を感じてしまいます。

階段で足を組んで座って生足を見せつけてくる、観客への呼び掛けは必ず「大将」である、などの観客へのサービスが、キャラ崩壊しない程度のはめ外しってかんじで心地よかったです。

 

へし切長谷部

澄ました顔、ドヤ顔、怒鳴ったり殴られたりと忙しい。

光秀の謀反の原因と「信長から下げ渡された」ことに対する感情は通じるところがあるので、

最終的に長谷部が自分の中の織田信長について語らなかったことが不穏に思えてワクワクします!

近似になった山姥切に一応は「おめでとうと言っておこう」と言えたり、極端な「どうして俺じゃないんだ」要素はなかったです。

紅白戦でのVS燭台切では打刀と太刀の原作設定に近い体格差を見れたので、原作プレイヤー的には良かったです。

 

不動行光

ゲームでは未入手なので原作ゲームとの比較ができないのですが、顕現時で右も左も分からないとはいえあそこまで歴史修正者寄りの思考というのは刀剣男士という兵器としては完全に欠陥品ではないでしょうか。

ストーリーの都合とはいえ、あまりにも周りが見えない自己中心的な性格になっていて残念。

顕現したてなのでレベル低めだと思うのですが、ひとつの戦闘でシーンによって強かったり弱かったりするのも不可解です。

最終的に不動行光を所持していたのは森蘭丸であるにも関わらず織田信長に執着するのは、一番有名な逸話が織田信長の歌だということに由来するでしょうが、

人間の気持ちが物に影響するという話が出ていたので、てっきり持ち主の森蘭丸が信長を敬愛する気持ちが不動にもつながっていて~という流れになるのかと思っていました。 

光秀を殺そうとするシーンではもっと鬼気迫るものが欲しかったです。

 

 鯰尾藤四郎

目のきょろっとした感じ、はきはきした物言いがイメージにぴったりでした。

一期との手合わせ後にちゃんと礼をしていたり、小夜との偵察シーンでは頼れる兄貴分であったり、個人的には好みの鯰尾藤四郎でした。

馬糞馬糞と騒ぐだけのギャグ担当にならなくてよかったです。

 

一期一振

殺陣、マントをおさえる仕種、カテコの傘の扱いなどを見る限り、「優雅な青年」というのがメインイメージのよう。

ただ、物腰柔らかなお兄さんかと思わせておいて、おはぎを詰め込まれて喋れない長谷部に「鼻から?攻めますな~」と追い込んだりもします。

  

燭台切光忠

「お待たせ!!!!!お茶請けを持ってきたよ!!!!!!光忠特製おはぎ!!!!!!!!!!!」

単純にテンションが高い設定なのか、他のキャストよりかなり声が大きいからそう見えるのかは微妙なところです。

序盤では敵を斬り捨てたあと高笑いをしながら走り去ったり、紅白戦でのVS長谷部は「まだまだこんなもんじゃないだろう?長・谷・部くん!!」と煽るなど、戦闘面でもバーサクしていたので、

ただのご都合世話焼きキャラにはなっていなかったです。

この機会にずんだ餅を宣伝するかと思っていましたが、餅だとのどに詰まらせる危険性があるからだめですよね。

眼帯をしているのに暗い舞台で階段を使った殺陣をこなしていて驚きです。

 

鶴丸国永

白いマスカラをはじめとするメイクの効果か、白眼がものすごく白い。

背後からわっ!と言ったり膝かっくんをしたりと言った程度の驚きを本丸にもたらします。

刀を肩にかついだり足のつま先で地面トントンしたり、余裕がある年長者風です。「天を驚かせたい」発言といい刃生を満喫しています。

本丸での適度な悪ふざけと戦闘シーンでの程よいギャップがあり、ゲームの延長戦上にあるキャラクター造形だと感じます。

燭台切のことを光坊と呼ぶのはどういう意味があるのか気になります。

 

森蘭丸

殺陣がいちばんしっかりしてらっしゃるように感じました。

時間遡行軍に臆せず斬りかかったり、刀剣男士にも話しかけたり、ちょっと警戒心がない性格になっています…。

 

明智光秀

光秀の甲冑の袖が大鎧的なサイズに見えたのは体格の問題?

兜もなかったので、上半身アップの時に今回の舞台は安土桃山じゃなかったっけ?と混乱しました。

主君の信長から老い衰えを理由に捨てられることを恐れて謀反を起こしたということですので、

敵は本能寺にあり」のセリフを使用しなかったのは心情として信長のことを「敵」とみなしているわけではないことの表れでしょうか。

 

 

 

ストーリー全体についての感想はまた後日。

 

 5/24追記

ストーリーを追っての感想は下記に。

舞台『刀剣乱舞』虚伝 燃えゆる本能寺 感想② - ポケットにチケットを

 

 

 

 

三日月宗近:鈴木拡樹

山姥切国広:荒牧慶彦

宗三左文字:佐々木喜英

江雪左文字:輝馬

小夜左文字:納谷健

薬研藤四郎:北村諒

へし切長谷部:和田雅成

不動行光:椎名鯛造

一期一振:廣瀬大介

鯰尾藤四郎:杉江大志

燭台切光忠:東啓介

鶴丸国永:染谷俊

 

森蘭丸:丸目聖人

明智光秀窪寺昭

 

アンサンブル:

小笠原慶顕

釣本南

並木鉄平

福島悠介

外村泰誠

三上竜平

柳沢卓

山下潤

山田諒

結城伽寿也

吉田邑樹

渡辺寛久郎