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舞台『刀剣乱舞』虚伝 燃ゆる本能寺 感想②

 

 

※絶賛以外の感想を受け入れられない方はブラウザバック推奨※

 

舞台『刀剣乱舞』虚伝 燃えゆる本能寺@ライブビューイング2016/5/20(金)

 

脚本・演出やキャラクター造形についてはすでに下記で述べたので、

舞台『刀剣乱舞』虚伝 燃えゆる本能寺 感想① - ポケットにチケットを

ストーリーの流れを思い出しつつの感想。

 

 

 

開幕直後、主題歌?が流れて驚きました。

各キャラの持ちパートがあるみたいですが、聞き分けもできずよく分からないまま…。

ミュのようにCDデビューの予定かもしれないですね。

 

最初のシーンは本能寺の変。燃え盛る炎の中で森蘭丸明智光秀が対峙していますが、

これは宗三左文字の見る夢。

宗三の夢ということなのでおそらく過去の記憶なのだと思いますが、ラストの本能寺の変はここと同じやりとりがなされます。

しかし、それは後半で蘭丸に宗三投げかけた問い「あなたにとって織田信長とは?」が発端となっているので、この宗三の記憶は鶏が先か卵が先かみたいになっています。

後半では、刀剣男士ががっつりその時代の人間にかかわっている場面もあるのでちょっとどうなんだろうという感じです。後述します。

 

 

本丸では不動行光の顕現を契機として、近侍は三日月宗近から山姥切国広へと交代、あわせて山姥切国広は不動の世話係を命じられます。

山姥切国広は「自分は写しだから…」というようなことを言って近侍を引き受けようとしません。

「写し」をマイナスにとらえる卑屈さがどこか、原作ゲームから受けるイメージとは違うベクトルになっているようでちょっと違和感でした。

 

すこし後のシーンで、かつて無理な進軍をして損害を出したため近侍を降りたことが語られますが、

そもそも進軍・退却の最終決定権は審神者にあるわけですし、部隊長が責任を感じることもないはずですよね…?

 

三日月・山姥切・不動でだらだらとしゃべるので、キャラ説明会話長すぎ~とげんなりしていたのですが、

思い返せば「写し」とはなんなのか等の説明は特になかったので、原作未プレイの観客にはちょっと優しくないですね。

 

 

鯰尾と一期の大阪回想で、鯰尾は「過去をやり直したい」と口にしますが、一期にたしなめられたことですっぱり諦めた様子。

このシーンを挟むことは、不動の信長を助けたいという行動が刀剣男士としてはアウトであることを示す意味があるのだと思いますが、

目的は違えど過去をやり直したいともがく不動に、鯰尾からなにか一言あると少年漫画的な魂のぶつかり合うアツい展開になったのでは。

鯰尾・一期はメインの織田組(同じ粟田口の薬研とも)特にからみがなかったので、なんだかもったいないです。

 

 

大阪の敵がなぜか通常より強く、江雪左文字をかばった小夜左文字が負傷、帰還します。

(結局、なぜ強い敵が出現したのかという説明はされませんでした。)

目を覚まさない小夜を看病する江雪は自分の元主が和睦に奔走した地で武力をふるうことに抵抗を覚えてしまったことを吐露。

刀剣男士たちはかつての主の生き様や逸話に影響されていると言います。

武器でありながら、主の魂によって戦わないことを良しと刻み込まれた長兄とかごの鳥にされた次兄、復讐という最も武器らしい逸話に強く影響された末弟。

このシーンで示された、人間と物の関係、物が持つ物語、というテーマが最後までつながっていきますが、

刀剣乱舞の核心に迫る「そもそも付喪神とはなにか」という話にはならず、男士個人の思想というか、結局精神論的なものです。

 

 

話題になっていた宗三が長谷部を殴るシーン。

唐突な宗三ゴリラ化で爆笑ポイントのように扱われていましたが、

信長に関してそりが合わない不動と長谷部が激しく口論をしており、宗三は長谷部が不動へと発する言葉で徐々にダメージを受け俯いていき(信長にとらわれ悩み続けている)、

最終的に限界を突破し気が付いたら宗三は長谷部を殴っていた…。ということだったようです。

宗三の立ち位置が客席から見づらかったのでなにが起きたのか分からなかった人が多いのでは。

また、殴る効果音と長谷部が吹き飛ばされるように倒れるのがギャグっぽかったのかもしれません。

宗三は殴ったことを長谷部にちゃんと謝ることができる子でした。

 

不動は「信長を助けたい」「天下人の器だったのは信長だけ」などと口にします。

最終的な主で本能寺の変で信長とともに死んだ森蘭丸なのに、蘭丸を助けたいとは言わないんですよね。

これは、主であった蘭丸が不動行光に信長の影を見ていて、蘭丸の信長への思いが不動に染みついた結果

不動行光の中では蘭丸の記憶や思考が息づいているのかと想像したのですが、

別にそうではないようでした。

 

 

アドリブ満載の軍議シーン。

燭台切がお茶請けとして持ってきたおはぎを、鶴丸が長谷部の口に入れます。

ずんだでも良かったと

喋ることができない長谷部に対し、周囲は「もっと大きいおはぎが欲しい?」「口で言わないと分かりません」「鼻からとは攻めますな」とはやし立て、山姥切はそっとお茶を差し出します…。

しかし、おはぎをおはげと噛み、俯いてしまう山姥切。アドリブは苦手のようです。

「おはぎの宴」というのもアドリブだったようですが、延々いじられる結果に。

アドリブシーン、結構長いですね。

ただ、極端にキャラ崩壊したりする様子もなかったです。素がでているキャストはいます。

 

このシーンの洋装組は跪坐ではないかというツイートを見かけたのですが、靴をはいたままだからあの座り方になっていたようです。

立ち上がり方の身のこなしにも特に気を使った様子もないので、跪坐を意識してはいないのではないかと。

殺陣があるのにズボンがぱつぱつで伸縮性がないから、正座できない…とかだったらどうしようと心配していたので良かったです。

なんにせよ、靴のまま正座ってつま先と土踏まずがへんなことになって足がつりそうですが。

 

 

織田組の不和に頭を抱える山姥切に、鶴丸と燭台切が紅白戦をしようと持ちかけます。

白と黒という色の対比からか、この2人がワンセットで扱われる場面が数回あったのですが、色的に初代プリキュアみたいです。

しかし、同じチームにした織田組は案の定仲間割れ。山姥切は肩を落とす結果となります。

 

近侍として本丸をまとめられないと悩む山姥切と諭す三日月のシーン。

この三日月はかなり世話を焼きますね。

人が物を対象として「美しい」と感じたとき、物に「美しさ」が宿る…。単純に言えばひとの思いが物に反映されるということ。

 

 

 

天正10年へ6人×2部隊での出陣を命じられます。

刀剣男士たちがそんな部隊での進軍はあり得ない!と口にしますが、2部隊同時出陣が可能になった理由も特に説明されません。

「出陣の儀」という場面になり、刀剣男士ひとりひとりが刀派・刀種・自身の名を名乗り抜刀して決めポーズをとる。サービスシーンですね。

正直なところ、各キャラの殺陣とか決めポーズとかこの「出陣の儀」があるせいで、ストーリーとしてのテンポが悪くなっていて、舞台にのめり込めなくなってしまいます。

鶴丸が五条と言わなかったのですが、なぜでしょうか。 

  

 

過去に跳び、本能寺の変前日です。

小夜と鯰尾が偵察をし、本来京都にいるはずのない光秀が本能寺にいるのを発見、すでに歴史改変が始まっていることが判明します。

鯰尾は改変された歴史を修正するために偽の文書を送ったりしていて、単純な遡行軍との戦闘以外でも水面下での争いをしているんですね。

 

しかし不動が単独行動をとり時間遡行軍と遭遇、駆け付けた宗三・薬研・長谷部が応戦します。

そこに蘭丸が乱入、助太刀を申し出ます。明らかに怪しい遡行軍にたいして疑問を抱かず毅然と立ち向かう人間という超人森蘭丸…。

織田組に織田信長の面影を感じたという蘭丸に、宗三は「あなたにとって織田信長とはなにか」と尋ねます。

これが冒頭の本能寺のシーンでの問答のもとになります。

 

過去の人間とあまりにもがっつり話しこんでいて、池田屋回想とはなんだったのか…と放心してしまいます。

刀剣乱舞における歴史修正の阻止というのは阻止に成功したらおしまい(FGOの特異点的な)ではないですよね?

守られた歴史でその世界の人たちは生き続けて、歴史を作っていくと思うのですが、

森蘭丸がどうせ次の日に死ぬ運命にある人間だと言え、その時代の人間とがっつりコンタクトをとるというのはおかしいです。

 

また、不動の性格について。

不動未入手なのですが、ボイスや回想のネタバレを見る限りでは、

そこまで考えなしの頭が悪いキャラクターではないと思っていたので、かなり驚きました。

また、ノブナガサマーアイタイータスケタイーしか言わないので、まったく気持ちに寄り添えず、苛々してしまいます。

不動のモノローグを入れて、「そうだね不動くん;;歴史変えちゃいけないけど信長助けたいよね;;」って思わせてほしかったです。

 

 

本能寺の変当日です。

刀剣男士たちが「盛大に燃えてもらわなければ」って言うの、すごい興奮しますね。

時間遡行軍は森蘭丸を討った人間を殺すことで森蘭丸を生かし、織田信長を救出させることで歴史の改変をもくろみます。

蘭丸は自分を守る時間遡行軍をひとまず味方であるとみなし、一方光秀をかばう刀剣男士に敵意をむき出しに。不動は蘭丸をかばい、共に信長を守ろうと語りかけるのですが、もちろん斬りつけられます。

そこに上手から宗三が現れて蘭丸をスライディング斬り。無事森蘭丸は死亡。

 

光秀を殺そうとする不動も自身の心を見つめ直すことで思いとどまります。

こんな珍妙な格好の子供に謎の因縁をつけられてもきちんと対応してあげる光秀、大人ですね…。

 

最終的に、織田信長も本能寺で死亡。歴史改変を防ぐことができました。

どんな最後であろうとも「その人の物語」を全うすることが最善であるという結びです。

 

クライマックスとなる本能寺の殺陣では各キャラの会心の一撃セリフや織田組の真剣必殺など盛り盛りな内容です。

ところで、蘭丸も光秀も異世界トリップに理解が深すぎて、夢小説の登場人物かな??という印象です。

 

 

 ラストで三日月が山姥切に「これで自分がいなくなっても大丈夫だな」という言葉を意味深に投げかけるのは

次回作を作らせてね!ってことでしょう。

 

 

原作ゲームにストーリーが無く、世界観も明らかにされていない状況ではミュと同じ筋のストーリーになってしまうのは仕方がないのでしょう。

2・5次元界隈ではストーリー展開が上手な脚本家さんで有名だということでしたが、この制約があっては…。

 

歴史改変したい!→でもやっぱりダメだ!!の流れは王道中の王道なので、図録に出てくる「物が語る故、物語」という一文に着想して

人間の気持ちとモノの関係、物語という単語で差別化を図ったのだと思います。

 

ストーリーや展開にひねりがないことよりも、

個人的には、メインキャラクターの感情、思考のプロセスが十分に描かれていない点がもやっとします。

ストーリー展開に合わせてキャラクターが動かされているようにしか感じられないのです。 

衣装のクオリティが微妙なこともあり、まるでお人形劇みたいです。

 

原作サイドのコンテンツが流行している間にメディアミックスを、という方針はわかるのですが、

もうすこしなんとかできなかったのでしょうか。